背中に感じる視線…。
アイツだ……さっきの奴。
じっと自分を見つめてくるあの女子生徒の瞳がハッキリとエイスケの脳裏に浮かんだ。
隣のクラスから、見てる…?!
薄い壁の向こう、そこからエイスケを見つめているのだ。
そう感じ、エイスケは恐ろしくなった。
アイツ…一体誰なんだ?
―――放課後、エイスケは隣のクラスへ向かった。
さっきの様子を気にしてるのか、ツキシロもついてきた。
……いない。
教室を見回しても先程見た生徒は見当たらない。
近くにいた女子生徒に声をかけ、エイスケは彼女の外見を説明し、聞いてみた。
「もしかして……タマダさんのこと?」
女子生徒の顔が少しだけ悲しげに歪んだ。



