「へ?アイツって…?どこ?」
ツキシロの視線は女子生徒のいるはずの場所をさ迷っている。
「どこって…そこの、C組の教室のドア……」
「何言ってんの?誰もいねぇじゃん?」
そんな…!!
エイスケの目にははっきりと彼女が映っているのに…。
見えてないのか?!
みるみるうちに青白くなっていくエイスケの顔を見て、ツキシロは何事かと驚いた。
「だ、大丈夫かよ?保健室行くか?!」
「いや…いい。教室に戻る…」
そう言ったエイスケはまだ自分のほうを無表情で見ている彼女を振り切るように、自分のB組の教室へ足を向けた。
その時。
スッとその女子生徒が動いたかと思いきやC組の教室へと入って行ったのだ。



