目の前で口笛を吹く彼女の唇は、とても素敵なのだ。 それはもう、口づけしてしまいたいほどに。 リップクリームを塗ったそれは艶々と輝き、私を誘っているようにしか見えない。 本人にその気がなくても、だ。 私は毎日、サエコの唇に触れたい衝動を抑えている。 私がそんな目で彼女を見ていると知れたら、一体どうすれば…? そんなふうで我慢ならなくなった私は強行手段にでた。