私はすぐに家に電話を掛けた。


3回目の呼び出し音のあと、祖母の声。


私は震える声で聞いてた。


「チビは…?」


『隣のおばさんが見つけてくれてね~向かいの田んぼの隅で冷たくなっとったらしいよ、今お墓作ってもらうから』


「うん、……わかった」


目頭が熱くなって、視界が潤んだ。


こんな所で泣くなよ!


自分に言い聞かせる。


22にもなって街中で泣くなんて、カッコ悪い。


でも、涙は止まらなかった。


10年一緒に過ごしたチビ。
大好きな大好きな私の家族。


誰にも別れを告げずに逝ってしまうなんて、ズルいよ。


最期は苦しくなかった?

痛くなかった?


寂しくなかった?


――私たちといた10年間は、楽しかった?