「あ、もしもし、チカ?」


もうすぐ日付が変わろうとする深夜0時5分前。


誰だよ?と思って出た電話口から聞こえてきたのは……


「アベカワ?!なに、こんな夜中に?」


高校が別々になってしまったアベカワとはなかなか会うことはなくなってた。


急な電話に私の心臓がドキドキと速くなった。


深夜に男の子とこっそり電話するなんて、初めてで緊張する。


アベカワはハハハ~と笑いながら、とりとめのない話を始める。


一体なんのために電話してきたのか…?


そんなこと考えながら話をしてたら、急に電話口が一瞬静かになった。


「……?」


どうしたんだろ?って首を傾げた時。


「0時になった?」


急に時間を訊いてきた。


「え?あ、うん、なったよ」