「あ」


「なに、どうしたの?」


「あれ、スギハラじゃね?」


「ホントだ」


高校の授業が終わって、親友のアツシとブラブラ河川敷を歩いてたオレ。


突然橋を指差してアツシが声をあげた。


夕暮れ時、茜色に染まる空の下。
橋の欄干に寄りかかって川面を見下ろしているスギハラがいた。


「何やってんだあいつ?」


「さあ…」


オレとアツシは立ち止まってスギハラの様子をしばらく眺めてた。


スギハラはクラスメイトだ。
でも先月から学校で会うことはなくなった。


「あいつ…イジメられて来なくなったよな、学校」


アツシがポツリと呟いた。