私が中学2年生の頃。


アベカワというクラスメイトがいた。
彼は小学校時代から私とよく話したり喧嘩したりしてた。


春。2年生になったばかりの4月。
彼は身長も伸び、少し男らしくなってた。
でも昔からみんなに好かれる笑顔は健在。


そんなある日の給食の時間。


「チカ、牛乳オレにちょうだい」


アベカワは私の机の牛乳を指差して言った。


「うん、別にいいけど」


牛乳が大嫌いだった私は二つ返事で彼に牛乳ビンを手渡した。


実は毎日、イヤイヤ牛乳を飲んでた私には嬉しい言葉だった。