少女が見ている視線の先には、ひょろりと背の高い少年がいた。
日焼けした肌が健康的だ。


その手にはピンク色のコスモスの花束。


その花を見つけたのか少女の顔がパッと明るくなった。


あの少年を彼女は待っていたんだ。


私は邪魔しないようにそっと少女から離れた。


少年はゆっくりと少女の立っている公園の入り口まで近付いてきた。


―――?!


私はその時気付いた。


少年の視線は少女の方を見ていなかった。
彼女が目の前にいるのに。


悲しそうな表情で公園の入り口で立ち尽くす少年。


嬉しそうに少年を見つめる少女。