「ねぇ、誰か待ってるの?毎日いるよね?」 私が声を掛けると、彼女は少し驚いた顔をしてこっちを見た。 「え…私に言ったの?」 「そうだよ、あなた毎日ここで誰か探してるみたいだったから気になって。ごめんねいきなり」 私は怪しい人だと勘違いされないよう、さりげなく話した。 目の前の少女はポニーテールにした髪を揺らしながら、少しだけ笑った。 「花をね、待ってるの」