「おっはよ~、莉彩ちゃん!」
ビックリして振り向くと、神楽くんが眩しいぐらいの笑顔を浮かべていた。
「お、おはよう…!あっ、今…ちょうど壱夜くんも登校してきたよ!」
「うん、知ってる。っていうか、アイツと途中でバッタリ会ったから一緒に学校まで来たし」
えっ!?
ということは、つまり……
「私が女の子と言い合ってるところから、見てた?」
「うん、全部」
壱夜くんのみならず、神楽くんにも見られてたのか…。
いや、他にも目撃してた人は多数いるよね…。
おそるおそる周りを見回すと、登校してきていた何人もの生徒たちが、不自然に私から視線を逸らす。
今更ながら、かなり目立っていたことに気付き、顔が熱くなった。
「見ていて、あまり気持ちのいいものじゃなかったよね」
「でも…あんな風に言われたら、俺だって黙ってられないと思う。もっと派手にキレるかも」
爽やかな笑顔で平然と言ってのける神楽くん。
昨日の壱夜くんの言葉が頭に蘇った。