「それじゃあ、仲直り…だね!」


「そもそも、喧嘩してねぇよ」


「これからは、もっと壱夜くんに話し掛けるね!」


「鬱陶しそうだから、やめろ」


相変わらず素っ気ない言葉…。


でも、壱夜くんと話せるのは…嬉しくてたまらない。


「それより、アンタのテスト勉強って何?年度末考査はまだ先だろ?」


「来週、数学の小テストがあるの。赤点は追試になるらしいから、頑張ろうと思って…」


「そのわりには、全然進んでねぇじゃん」


壱夜くんは冷ややかな目でノートを見下ろす。


私は苦笑いしながら、真っ白なページを教科書で隠した。


「前の学校で勉強してない範囲だから、なかなか進まなくて…。数学は得意じゃないから尚更…」


「だったら、数学の先生に事情を話して教えて貰えばいいじゃねぇか」


「でも、先生…忙しそうだから迷惑になるよ。自分で頑張ってみて、どうしても無理なら…」


そこまで口にしたところで、壱夜くんは私の隣のイスにドカリと腰を下ろした。