高1の冬に再会…。
コンビニの前で不良に絡まれてた女の子?
私が壱夜くんに出会った時の状況と同じような気が…。
「その女の子は俺の高校に転入してきたんだけど、新学期初日に迷子になってたのにはビックリした」
ちょ、ちょっと待って…。
「他人の事情に踏み込んできて何とかしようとするお節介なヤツで、自分のことよりも他人を優先させる優しい人間」
それって、もしかして…。
「これだけ言えば、さすがに分かるよな」
壱夜くんの瞳が優しく揺れた。
「俺の初恋は、莉彩なんだ」
ドクンと心臓が跳ねる。
驚きで真っ白になりそうな頭を横に振って、なんとか意識をとどめた。
「で、でもっ……壱夜くんが初恋の女の子と出会ったのは近所のイベントなんでしょ?私は、こっちに引っ越してくるまで、この街に来たことは一度もないよ?」
「桃舞がそう言ってたの?」
「うん…」
頷くと、壱夜くんは苦笑した。


