「俺、中学の時に桃舞の彼女と大して話もしなかったし、仲が良かったとかでもねぇけど、桃舞は大事な友達だし、喜ぶ顔を見るのは俺も嬉しいから協力した」
「そうだったんだ…」
そんな事情があるとは知らずに勝手に壱夜くんの彼女だと勘違いしてたなんて恥ずかしい。
思わず肩をすくめた。
「じゃあ、そろそろ本題に入るから」
その言葉に身構える。
少し照れくさそうに笑う壱夜くんを見て、心の中がざわついた。
「俺、ずっと会いたかった初恋の女の子に、再会できたんだ」
あ……。
やっぱり、そういう話か…。
何となく雰囲気で察してしまっただけに、それほど衝撃は受けなかった。
「よ、良かったね…」
感情がこもってない言葉。
無理やり吊り上げた口角。
きっと今の私は不自然に見えているんだろうな…。
「高1の冬に再会を果たしてたんだけど、その子が初恋の女の子だって判明したのは最近だった」
「そう…」
「コンビニの前で不良たちに絡まれて怯えていた彼女が初恋の女の子だなんて、当時は思いもしなかったけど」
もういいよ…。
そんなに詳細に話してくれなくても、内容は分かったから……って、あれ?


