初恋のキミは最愛ヒーロー


「桃舞に渡すプレゼント選びに付き合わされた」


「プレゼント…?」


「そう。アイツ、今日が誕生日なんだよ」


あっ……!


そう言えば、午前中に桃舞くんたちに会った時に誕生日の話を聞いたっけ。


そっか。


じゃあ、あの子は桃舞くんの誕生日をお祝いするために来てたんだ。


「半月ぐらい前に駅のところでバッタリ会っちまってさ。誕生日プレゼントを贈りたいから桃舞の喜びそうなものを教えてほしいって、勝手に日時まで決められて強引に連れ回された」


「す、すごいパワフルな女の子なんだね」


「元気が良いし、基本的にテンション高いから疲れる」


「でも、壱夜くんたちを目撃した女の子たちが仲良さそうだったって言ってたよ」


「笑顔で桃舞のことを一方的に喋ってるアイツの隣で、俺は頷くか相槌打ってるだけだったんだけどな」


ということは、女の子たちの見間違い?


いや、壱夜くんってクールな印象が強いから、あの子の言葉に相槌うってるだけでも仲良さそうに見えたのかもしれない。