初恋のキミは最愛ヒーロー


順調に宣伝活動をしていき、校舎東側を全て歩き終えた私は中庭へ。


真ん中に設置されたステージでは、ちょうど軽音部がライブをやっている最中だ。


私は観客の邪魔にならないように気をつけながら、出入り口付近で立ち止まった。


みんなライブに夢中だから、あまり見向きもされないだろうけど…


しばらくここにいよう。


軽音部のライブ見たかったし。


プラカードを持ったまま、ステージの方に視線を向けていた時だった。


「あの、すみません」


突然、声をかけられた私。


振り向くと、大学生ぐらいの爽やかな雰囲気の男性2人組が立っていた。


「どうしたんですか?」


声をかけると、男の人たちは私の持っているプラカードを指差す。


「キミのクラスって縁日やってるんだね!面白そうだから俺たち行こうかなって思って」


「ありがとうございます。是非、遊びに行ってみて下さい」


校内を歩き回ってた時は、プラカードをチラッと見てはくれたけど、あまり反応はなかったから、興味を持ってくれる人がいて嬉しいな。