「なんだ、そうだったんだぁ…」


途端に女の子たちの表情が和らぐ。


壱夜くんのことが好きでたまらないんだろうな…。


「っていうか、黒河内君が道案内って…マジでビックリなんだけど。そんなことするんだね、あの人」


「確かに!天変地異でも起こるんじゃない?」


「碧瀬さんが無事で何よりだよ~」


………ん?


どちらかというと、私が心配されてるような気が…。


違和感を抱いていると、茶髪のボブヘアーの女の子が私の両手をギュッと握った。


「碧瀬さん!黒河内君には近付かない方がいいと思う!あの人、この地区の不良グループのトップらしいから」


「えっ…」


瞬きを繰り返すと、他の女の子たちも力強く頷く。


「売られた喧嘩は必ず買うらしいし、自分から仕掛けることも多々あるみたい。万引きとか喝上げも平気でやっていて、警察に何度も補導されてるんだよ」


「深夜に外をウロウロしてるから、警察に職質されることも頻繁にあるらしい。学校では比較的大人しくしてるみたいだけど、かなりの危険人物だよ、アイツ」


うそ…


そんなの、信じられない…。