私の心臓の鼓動、きっと壱夜くんにも伝わっちゃってるだろうな…。


体が触れあってる上に、尋常じゃないぐらい大きな音をたてて動いてるんだもん。


丸聞こえなんて恥ずかしい…。


そう思った途端、体温が更に上昇していくのを感じた。


こんな風に優しくされたら…


もっと壱夜くんのことが好きになってしまう。


どう頑張っても両想いにはなれないんだから、これ以上…気持ちを膨らませちゃいけない。


ちゃんと諦められるように抑え込まなくちゃいけない。


頭では分かってるはずなのに。


心は言うことをきいてくれない。


どうしたらいいんだろう…。


せめぎ合う感情を、どういう風に処理するのが最善なの…?


自分でもよく分からない…。


唇をキュッと噛みしめる。


壱夜くんの息遣いが聞こえる中、私はそっと目を伏せた。