翌朝。


欠伸をしながらリビングに行くと、出勤する支度をしていたお母さんが私の顔を覗き込んできた。


「莉彩、大丈夫?昨日の夕食も食べなかったし、ちょっと顔色悪いんじゃない?」


「そ、そう?」


「体調悪いなら無理に学校に行かなくてもいいのよ?」


「ううん、全然平気!このところ文化祭の準備でバタバタしてるから、少し疲れてるだけだよ!明後日には文化祭も始まるし、この忙しい期間もあとちょっとで終わるから」


心配そうな表情を浮かべながら玄関に移動するお母さんに笑顔を向ける。


手を振って見送った私は、ゆっくりとリビングに戻ると、ソファに腰を下ろした。


元気よく振る舞って“大丈夫”アピールをしたから、お母さんも少しは安心してくれたと思うけど…。


朝から余計な心配させちゃったな…。


太陽の光が差し込む窓の外を眺めながら、さっきよりも大きな欠伸をした。