その後、女の子たちとの会話を終えた私は、重い足取りで帰宅。
自分の部屋に入ると、その場に力なく座り込んだ。
私が目撃した日だけじゃなくて、昨日も壱夜くんと一緒に居たんだ、あの女の子。
壱夜くんは、学校では女の子たちから話しかけられないように、近寄りがたいオーラを作っている。
今まで、私以外の女の子と喋ってる姿は殆ど見かけなかった。
だけど、あの女の子とは一緒に駅前を歩いたり、仲良く買い物をしてた。
ということは、壱夜くんにとって特別な存在であることは確か。
それに該当するのは…
ずっと想い続けている初恋の女の子。
私がフラれた時は、まだ片想いしてるみたいだったから、その後、どこかのタイミングで再会したんだ、きっと。
壱夜くんと殆ど会話をしていない期間が長かったから、全然気付かなかった。
「……」
ううん、仮に普段どおりに話していたとしても分からなかったかもしれない。
ただの友達である私に、“初恋の女の子と再会できた”なんて、壱夜くんが報告する義務はないんだから。


