浮かない気分で1日の授業を終えると、迎えに来てくれた玲音くんと一緒に学校を出た。
「それで、報告って…?」
「その前に、連れて行きたい場所があるんだ。とりあえず、そこに移動しようと思って」
優しく微笑む玲音くんに頷く。
どこに行くんだろう?
全く見当がつかない。
疑問に思いながら玲音くんの隣を歩く。
駅から電車に乗って隣町へ。
更にそこから周遊バスに乗り換えて、たどり着いたのは丘陵公園だった。
「広い公園なんだね!ツツジが綺麗に咲いてる!」
園内に入って、最初に目に飛び込んできたのは、なだらかな斜面いっぱいに咲く真っ白なツツジ。
まるで花の絨毯のようで、しばらく見入ってしまうほどだった。
その後、長く続く緩やかな階段を上っていき、到着したのは町並みが一望できる展望広場だった。
「すごい眺め!」
「だろ?ここ、俺のお気に入りの場所」
ちょっぴり得意気に笑って、芝生に腰を下ろした玲音くん。
私も隣に座った。


