初恋のキミは最愛ヒーロー


本当は、分かってる。


お父さんは何も悪くないって。


私がスノードームを大事にしてるのを、いつも傍で見ていたからこそ、壊れるかもしれないリスクを心配して、リビングに持って行こうとしたんだもん。


それなのに、私は壊れたことがあまりにもショックで悲しくて、お父さんに八つ当たりしてしまった。


あんなに酷い言葉をぶつけたのは生まれて初めてだ。


さっき、お父さんが出掛けて行く時も、気まずくて何も声が出てこなかったし…


昨日から相当傷つけてるよね…お父さんのこと。


落ち込んでた…って、お母さん言ってたし。


俯きながら、はぁ…と溜め息が零れた。


このままじゃダメ…。


今日、お父さんが仕事から帰って来たら、ちゃんと謝ろう。


“昨日は酷いこと、いっぱい言ってごめんなさい”


“大嫌いなんて嘘だよ”


“お父さんのこと、大好きだよ”


思ってること、素直に伝えるんだ…。