「あのページの問題を解いて、ノートを授業終了後に提出だってさ。ちなみに授業が終わるまで、あと15分」


「ほ、本当だ…!どど、どうしよう」


数学は苦手で、いつも問題を解くのに苦戦するっていうのに、あの量の問題を残り15分以内に終わらせないといけないなんて無理だ。


「終わらなきゃ居残りだな」


そっか…。


この授業が終わったら放課後だっけ…。


でも考え事してた私がいけないし、居残り覚悟で、ひたすら頑張るしかないか…。


アタフタしながらノートを開いていると、壱夜くんが私の机上にあったテキストを奪い取った。


「あっ!テキストが無いと問題が解けな……」


「俺がサポートしてやるから、必死にやれ。15分でキッチリ終わらせるぞ」


「えっ…」


「お前、数学は得意じゃないんだろ?一人で居残りなんかしたら、いつ終わるか分かんねぇし」


「うっ、それは………」


否定出来ない。


言葉を詰まらせていると、壱夜くんはテキストをパラパラと捲り始めた。