「あっ、そうそう!突然なんだけど、莉彩ちゃん…今度の日曜日って空いてる?」


「えっ…?」


「実は、友達からお花見に誘われてるんだ。それで、人数多い方が盛り上がって楽しいから…っていう話になって。莉彩ちゃんも良かったら、どう?」


お花見……。


ズキンと胸に痛みが走る。


まるで、鋭利なものが突き刺さったかのように。


「あの、えっと…お花見は……ちょっと………」


声が上手く出てくれなくて、弱々しく歯切れの悪い答え方になってしまった。


「ううん、都合悪ければ仕方ないよ。いきなり誘ったりしてごめんね」


「こっちこそ、ごめんね。せっかく声を掛けてもらったのに…」


「気にしないで?また次の機会に遊びに行こうよ」


「うん…」


ぎこちなく頷いた後、笑顔で席に戻って行く紫葵ちゃんを目で追っていると…


「なんか、お前らしくねぇな」


飛んできた言葉に反応して隣に視線を向けると、席に座っている壱夜くんが私を見上げていた。