「何だよ、その不審な動作」


「だっ、だって……私の席!!席が隣は私で……」


「は?意味不明。文章になってない」


「私たち、席が隣同士だよ!すごくない!?」


「五十音順なんだし、普通に有り得る可能性だろ。別に凄くは無い」


キッパリと言って席へと向かう壱夜くん。


私との温度差が激しい…。


でも、そういうところが壱夜くんらしいというか、安定の通常運転というか…。


この場面で、“お前と隣の席になれるなんてマジですげぇな!”とか嬉しそうに言われたら…


心にかかる負荷が限界突破して、どう反応を返したらいいのか分からなくなりそうだもんね。


勝手な妄想を繰り広げながら、窓際の自分の席へ。


バッグを机に置いて、立ったまま周りを見回していると…


「莉彩ちゃん、久しぶりっ!」


爽やかな笑顔で手を振りながら駆け寄って来る紫葵ちゃんの姿が映った。