「そんな感じだからさ、今は…初恋の女の子が気になっていても、今後は分からないよ?」


「こ、今後…?」


「その子よりも莉彩ちゃんのことを意識するようになったら、初恋は思い出になって、新しい恋が動き出すかもしれないじゃん?」


そっか……。


壱夜くんの中に一途に想い続ける人がいるなら、私の恋が成就するのは難しいだろう…って、弱気になってた。


でも、これからの一層の頑張り次第で壱夜くんの彼女になれる可能性があるのなら…


私は、迷わず突き進むのみ…!


絶対に両想いになりたいから…。


「桃舞くん、ありがとう!私、頑張るね…!」


「莉彩ちゃん、ファイト!」


背中を温かく押してくれるような桃舞くんの応援に、心強さを感じていると……



「お前ら、何ニコニコと和やかに会話してんだよ」



突然、飛んできた素っ気ない声。


そちらに視線を向けると、医務室の入り口で眉をひそめて私たちを見ている壱夜くんの姿が映った。