初恋のキミは最愛ヒーロー


「えーっ!!紅月も名前呼びなら、俺も“桃舞”にして欲しいな」


そ、そっか…。


こうなると、神楽くんだけ呼び方を変えないってのも、おかしいよね。


羨ましい…と言わんばかりの視線を向けられた私は、苦笑いを浮かべた。


「じゃあ、今日から桃舞くんって呼ぶね」


「ありがとう、莉彩ちゃん」


和やかに会話をしていると…


「おい、お前ら…いつまでベラベラ喋ってんだよ。せっかく午前中から待ち合わせても、こんなところでゆっくりしてたら昼になっちまうぞ」


壱夜くんの低い声が飛んでくる。


「ご、ごめんね」


その言葉には何も反応はなく、スタスタと先に公園を出て行ってしまった。


「遊園地に行くのが目的なのに、ここで長話してたら時間が勿体ないもんね…」


壱夜くんが頭にくるのも、最もだ。


「……あれは、長話がどうこう…っていうよりも、碧瀬が俺らを名前呼びすんのが気に食わないだけじゃない?」


「えっ…」


「俺も紅月の意見に同感」


“だよな”と二人は口を揃えた。