「紅月くん、これからよろしくね!」
「とりあえず、よろしく」
照れくさそうに目を逸らされてしまったけど、私はニコリと微笑む。
紅月くんと、良い友達関係を築いていけるといいな…。
きっと、仲良くなれるよね。
「よしっ、寒くなってきたし今度こそ帰ろうぜ?俺は紅月と帰るから、壱夜は莉彩ちゃんを家まで送っていけよな」
「ああ、分かってる」
頷く壱夜くんにドキンと心臓が鳴り響く。
家まで一緒に帰れると思ってなかったから嬉しい…。
頬を緩ませていると、神楽くんと帰ろうとしていた紅月くんが足を止めた。
「あのさ、今日は…ありがと」
ぎこちない声と共に、私たち3人に視線が向けられる。
「特に、黒河内。さっき、ケイタとユウキに言ってくれた言葉、正直…嬉しかった。ありがとな」
「俺は思ったことを、ただアイツらに話しただけだ」
「お前のこと、今まで悪魔みたいな最低な男だと思ってたけど、友達思いで心の熱いヤツなんだな」
紅月くんからの言葉が意外だったのか、壱夜くんは少し驚いたような表情を浮かべた。


