「壱夜って、嫉妬だけじゃなくて独占欲も強いんだな」
「は?」
「男は、もっと寛大な心を持つべきだと思うぜ?」
「訳分からないこと言ってんじゃねぇよ」
不機嫌そうにパンにかぶりつく壱夜くんを見ながら、目を細めてニヤリと笑う神楽くん。
そんな二人の微笑ましいやり取りに、思わず笑みを零してしまう私がいた。
だけど…
壱夜くんの変化は、嬉しいものばかりじゃない。
もしかしたら、今日も…。
「あ、悪い。ちょっと電話きた」
お昼ご飯の途中で壱夜くんが立ち上がる。
そして、足早に屋上の扉の向こうへと姿を消した。
やっぱり、また…。
一昨日…お昼を一緒に食べた時も、その前のお昼休みも、掛かってきていた電話。
誰からなのか分からないけど、いつも壱夜くんの表情が曇っている気がする。
それに登下校を一緒にする時、浮かない顔でボンヤリと歩いたり、神妙な面持ちでスマホの画面を見ながら歩いたりしていることがある。
さり気なく聞いてみたりもしたけど、はぐらかされてしまったんだよね。


