「こら、凛!なに、ヘラヘラしてんだよ!?」

「いえ・・・瑞希お兄ちゃんに心配してもらえてると思うと、気がゆるむと言いますか・・・」

「ばっか!!楽しんでんじゃねぇーよ、ばかやろう!!」



ゴン!!


「あう!?」





耳まで真っ赤になったかと思うと、強烈な痛みが頭部に走る。



「いたぁ~!?」

「俺は寝不足なんだ!さっさと寝ろ!」



頭突きを食らったのだと理解した時、彼は私から顔をそむけていた。




(でも、腕枕は続けて下さるのね・・・♪)




嬉しくて、甘える猫のようにゴロゴロとすり寄る。

そんな私の髪を腕枕している手で、くしゃくしゃと撫でてくれた。

私の頭をなで続けてくれる。





「瑞希お兄ちゃん、あの・・・・」

(腕、疲れないかな・・・?)



「うるせぇ。眠れねぇだろう?」

「あ・・・・はい。でも、僕がいてもいいのでしょうか・・・?」

「いいんだよ。」




とげのある声だったけど、私への動作は優しい。



「新旧の龍星軍の頭同士がつるんでることの、なにがいけねぇってんだよ?」

「そ、そういうわけでは・・・・」

「凛、龍星軍の役職決めたからって安心するのはまだ早いぞ?カンナ達を仲間に認めた以上、1人暴走族は卒業・・・・・龍星軍の再デビューのお披露目集会が待ってんだからな?」

「はああ!?また、するんですか??」

「そうだろう?『弁才天』も仲間にしたんだから、周りに示しがつかねぇだろう?」

「こんなことなら、急いでデビュー集会しなきゃよかったです。」

「そうか?俺は凛と走れてうれしかったけどな?」

「それは、僕も同じ気持ちですが!!」

「だったら・・・見守ってやるから、大河達と上手いこと話して・・・2度目の集会を成功させろよ・・・?」




眠そうな声で言われる。

私の前髪をなでていた動きがゆっくりと止まる。



「瑞希お兄ちゃん?」



さすがに疲れたのかと思う。

恐る恐る、彼へと顔をかたむければ、瑞希お兄ちゃんも私の方へ首を動かしてきた。

それで思わず彼を見れば・・・・