+ヴァンパイア執事+

「まさか、入ったの?」

二人とも……

別にそんなにバフィにキャアキャア言いはしない。

つまり……おもしろ半分の嫌がらせよね?

「うんっ入っちゃった♪」

と美香の無駄に、無駄に明るい返事。

「入会費は無料なんだって! でね、私は会員ナンバー10439!」

「10440」

右京も入ったのね。

っていうか、会員……一万超えてるのか。

「は、あああ~」

「お嬢様、大丈夫ですか? お加減でも?」

ふ。ああ痛い。頭痛がするわ……


こっちは溜め息ものなのに、二人の嫌がらせは続く。

「あのねあのね、おもしろいよぉ。バフィさんうちわやバフィさんチョコ、バフィさんブロマイドとか買えるんだよぉ♪」

「会員特権」

「それにそれに、『今月のバフィさま』っていう月間新聞も~♪」

「会員特権」

「で、クラブの目標が『打倒・柳沢月』なのぉ! おっもしろいよね~、るなぴー♪」

「日夜、作戦遂行中」

そこまで聞いて、私は立ち上がった。

「行くわよバフィ」

「どちらへ?まもなくホームルームが……」

私は宣言した。

「クラブのぶっ潰しよ」

当然。返事は決まっている。

彼は私の、執事なのだから――。