+ヴァンパイア執事+

+――+



「やほーぅ、るなぴー。おはよー」

「早朝交流」

朝、教室であいさつをしてくるいつもの二人。

おもしろいほど二人とも笑顔だ。

無表情の右京でさえ、どこかニコニ……いや、ニヤニヤしている。

「おはよう、美香、右京。なぁに、その顔は? 昨日のことならもう解決したわよ」

「あ、そーなんだあ、よかったねー♪」

「無事祝福」

と、事件解決を喜んでくれているも、やはり、どこかニヤニヤ。

なに。なにか企んでる顔ね。

「なんなのよ二人して。朝からおかしいわね」

怪訝な表情を浮かべてやると、美香がえへへへー、と笑った。

そして、じゃーん、と突き出されたのは、銀色のカード。

モノシルバーで印刷されているのは、紛れもなく、私の背後に立つ男の横顔。

予想はできた。

だけど。あえて訊きたかった。

「なに……これ?」

「えへへへー、聞いて驚いちゃって~。なぁんと、バフィさんのファンクラブ会員カードなのでぇすっ♪」

「入会、随時受付」