+ヴァンパイア執事+

手首を握られ、腕を真横へ伸ばされる。

もう一方の手は私の頭を後ろから強引に掴んだ。

首筋が、ぐ、とさらされる。

「バフィ、女の子の扱い、はっ……ぁっ……!」

言っている間に、噛みつかれた。

鋭い痛みに、体が震える。

背筋にぞくりと伝わる冷たさ。

「お嬢様……」

首から抜けていく血液。

この行為の間だけ火照る、彼の掌――

麻薬を打たれたような、夢心地……

「バ、フィ……ぁっ……」

足が地を離れたような、浮遊感――

「こぼさずに、飲み、なさ……――ぁあっ……!」

たまらない、汗伝う高揚――

限りのない快感を突き立ててくる彼は、そして私から血を吸飲する。

上下する彼の喉が、私の命を吸う。

舌が、赤を舐め取る。

「あぁ……バ、フィ……」

それが、あまりに、心地よくて恐ろしい。

有能にして最高の執事。

彼はそう、ヴァンパイア。

そして私は彼を従えるご主人様であり――

究極の、エサなのだ。