+ヴァンパイア執事+

朝のホームルームが終わると、友人の美香と右京がやって来た。

「だいじょうぶぅ、るなぴー?」

と間抜けなニックネームで聞いてくるのが、マシュマロみたいな雰囲気の美香。

「……」

そして無言のまま首を傾げているのが、右京だ。

「大丈夫もなにもないわ。ゴミは片付けた。犯人はバフィがあぶり出す。問題ないわ」

「そっかぁ、ならいいんだぁ」

ニコニコぉと笑う美香に、

「安心」

無表情のままうなずく右京。

アンタ達、私と同じお嬢様なのに、なんでそんなにキャラが違うのよ。

まあそんなことを言っても、二人とは中等部からの付き合いなんだけどね。

「でもぉ、だれがやったのかなあ?」

「心当たり」

と、ぽやんぽやんした美香と冷静な右京。

コイツらが逆の立場だったら……ある意味で想像できないわぁ。

なんて考えながら答えた。

「わかんないわよ、そんなの。私は人に恨み買うような生き方してないもの」