わかっている、わかっているけれど……どうしようもない。


「いいか、高知!みんな、結局最後には幸せを望むんだよ。幸せにしてくれる存在を、愛おしく思うものなんだよ。だから、頑張れ。“オレなら誰よりも幸せにしてやれる!”ってその根拠のない自信でもって、真っ直ぐに想い続けろよ」


いつだったか友人が、誇らしげに語っていた。

おれの持論は間違いないのだと、だから諦めるなと。

その時のドヤ顔を信じたわけではないが、それでもオレは決めたのだ。

今は辛くて、苦しくて、悔しくて、悲しみに胸が張り裂けそうになっても……オレはこの恋を、諦めたりしない。

オレはこれからも、今まで通りにあの子を想い続ける。

例えあの子の視線が、今は彼に注がれていようとも……未来では、それがどうなっているかなんて、誰にもわからないのだから。