「さてと、じゃあどうしよっか。もう一回屋台でも見に行く?」
「もう財布がスカスカです……」
「あたしは、足がもうパンパンです……」
三十分程で終了した花火のあと、ベンチにぐったりと腰を下ろす二人を、高知がため息混じりに見下ろしていた。
「なんだなんだ、最近の若者はなってないな。まだ祭りは終わってないよ?」
「俺の祭りはもう終わりました……」
「あたしは、足がもう終わりました……」
ガードレールに寄りかかって一向に動こうとしない二人を、高知が不満げに見下ろす。
「オレはまだ遊び足りない!もっと祭りを満喫したい!!」
子供のように足を踏み鳴らす高知を、宮崎が呆れ顔で眺めやる。
「先輩……いくつですか」
「いくつになっても、祭りは朝まで満喫したい派なの!」
「朝までって……」
更にぐったりする宮崎の腕を取り、高知が強引に引っ張る。



