――「じゃーん!シュークリーム」
「……もう一回、なんだって?」
彼女が得意げに開けて見せた箱の中には、得体の知れないぺしゃんこの物体が転がっていた。
「この間電子レンジが壊れたの。だから新しいのを買ったんだけど、それにはオーブン機能がついていてね!せっかくだから、使ってみたの」
得意げに話す彼女の顔から、宮崎は再び箱の中へと視線を戻す。
「……それでこれは?」
「だから、シュークリーム!」
新しい電子レンジを手に入れて、今までなかったオーブン機能がついていたから使ってみたかった気持ちは、宮崎にもよくわかる。
よくわかるが、初めてのオーブンで挑戦するのがシュークリームというのは、絶対にチョイスが間違っている。
「シュークリーム、見たことないのか……?」
呆れ顔で問いかければ、彼女は宮崎の方を見て、心外だとでも言いたげな顔をした。



