今年の夏もキミを想う…。



〈宮崎!メールの返信も、電話に出るのも遅い!!〉


通話ボタンを押した和果子の耳に飛び込んできたのは、初めから怒りがマックスの高知の声だった。


〈そもそも返信が遅くなるのは、メールだからなんだよ!宮崎もスマホに変えて、アプリ使えばもっと素早く返信できるようになる。だから早くスマホに変えろ!!……じゃなかった、先輩からのメールにはこまめに返信して、電話にも素早く出ろー!〉

「あっ、はい……。そう、伝えておきます」


困惑気味に返事を返した和果子の声に、怒り狂っていた高知が〈えっ……〉と驚愕したような声を上げる。


〈あれ……そちらは、宮崎サンの携帯……〉

「ですけど、宮崎はちょっと逃亡したので、あたしが代わりに」


チラリと様子を伺えば、逃げた宮崎は、柚花の影に隠れるようにしてこちらを見ている。

柚花の方が体が小さいのだから隠れられるはずもないのだが、本人は隠れている気になっているのだから和果子の口からため息がこぼれ落ちる。