今年の夏もキミを想う…。


お昼ご飯を終え、色付けのラストスパートに入った柚花から少し離れて、宮崎と和果子は並んで眼下に広がる景色を眺める。

しかし、ゆったりと景色を眺めているのは和果子だけで、宮崎の方は必死に携帯と格闘を繰り広げていた。


「だあー、もう!高知先輩から鬼のようにメールがくる」


まだ返信が終わってもいないのに直ぐに次のメールが届いて、それを開く間もなくまた次のメールが届く。

無視すれば無視したで、メールは勢いを増して受信され、宮崎のイライラはピークに達しようとしていた。


「先輩、一人だけ急に帰らなくちゃいけなくなったから、寂しいんでしょ」

「寂しいか知らんけど、いい加減にして欲しい」