振り返って宮崎が声をかければ、柚花が筆とスケッチブックを置いて駆けてくる。
「これは、あたしからの差し入れ。そんでこれは、宮崎のお母さんから」
また恐縮したように何度も頭を下げる柚花を制して、先にパンを選ばせる。
チョコパンとペットボトルを手に、柚花は嬉しそうに笑ってまたぺこりと頭を下げた。
「じゃあ、あたしは……あんぱん!と、クリームパンにしよう。あっ、あとサンドイッチも」
「どんだけ食うんだよ」
呆れ顔の宮崎からふいっと視線をそらして、和果子もペットボトルを手に取る。
宮崎は、残った中からカレーパンとサンドイッチを手に取った。
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