今年の夏もキミを想う…。


ハッとして目を開けた宮崎の耳に、遠く音が聞こえた。

どうやら、床に横になった拍子に眠ってしまったようで。

硬い床のせいであちこち痛む体をさすりながら、宮崎は体を起こした。

聞き間違いではないこと示すように、再び家全体にその音が響き渡る。

遠くから聞こえていたのは、インターホンだった。

宮崎が携帯で時間を確認すると、随分長いこと眠っていたような気がしたが、床に転がってからほんの数十分しか経っていなかった。

寝起きのぼんやりする頭であくびをして、とりあえず宮崎は玄関に向かう。

中に人がいることを確信しているように、何度も何度も押されるインターホンに、もし高知だったら居留守を使ってやろうか、でもあとでそれがバレたらめんどくさいな、などと考えながら宮崎は来訪者を確認する。

ドアの向こうでインターホンを鳴らしていたのは、和果子だった。