今年の夏もキミを想う…。



「和果子と柚花ちゃんのおかげで、思わぬ豪華なランチになって凄く嬉しい。ってことで、早速食べよう」

「なによ、その微妙な棒読み。てか、その前に手を拭け、手を。砂がついてる」


準備のいい和果子から手渡されたウエットティッシュで手を拭くと、宮崎は早速おにぎりに手を伸ばす。


「いただきます」


表面に白ごまがまぶしてあるそのおにぎりに齧りつけば、中から梅干しが顔を出した。


「具はね、鮭と梅とあと海苔の佃煮」


柚花もきっちり手を拭いてからお弁当箱に手を伸ばし、ピックが刺さった玉子焼きを摘んで小さく齧る。


「これ……すっごく美味しいです」


感動したように玉子焼きを見つめ、また小さく齧りついては、目を見開いて見つめる事を繰り返す柚花に、和果子は照れくさそうに笑う。