「あっちい……」
夏の太陽が、むき出しになった肌を焼く。
Tシャツから出た腕や、首筋、額の辺りをじんわりと染み出してきた汗が伝う。
見渡す限り、視界に入るのは田んぼに畑ばかりで、ちょっと一休みできるような日陰はない。
遠くの方にポツンと見える、農作業に勤しむ点のような人影にしばらく目を止めて、思い出したようにあっついあっついとボヤきながら、宮崎は近くに止めておいた自転車にまたがった。
スタンドを蹴ってペダルに足を乗せると、風を切って走り出す。
太陽の熱に温められたぬるい風が、顔を撫でて前髪を吹き上げる。
本当は近くの商店にアイスを買いに出たはずだったのだが、店の前まで来ると、無情にもシャッターが下りていて、寂しい張り紙がしてあった。
僅かに凹んだ前カゴは空っぽのまま、宮崎は古びた自転車で家までの道をひた走った。
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