今年の夏もキミを想う…。


紐に手をかけて振り返った高知が、子供みたいに無邪気に笑って手招きするので、宮崎も仕方なくそちらに向かって歩き出す。

楽しそうに笑って思いっきり鈴を鳴らした高知の前に、和果子と柚花が「「わあ!!」」と声を上げて飛び出したのは、宮崎が鈴まであと数歩のところまで来たときだった。

ぎょっとして僅かに後ずさった宮崎の前で、高知はまるで漫画のように飛び上がり、思いっきり尻餅をつく。

笑い転げる和果子と、申し訳なさそうにしながらも、はにかむように笑っている柚花の姿に、高知は涙目で抗議する。


「ねえ宮崎!宮崎もひどいと思わない!?」

「むしろ良かったじゃないですか。上まで行ったらいいことあるって、先輩言ってたでしょ」

「こういうことじゃない!!」


ムスっと膨れた高知を見て、宮崎もまた二人に混じって笑みをこぼした。