今年の夏もキミを想う…。



「報われないけど、好きなんだよね。わかってるけど、諦められないんだよね……」


まるで自分に対して言っているようなその言葉に、胸の痛みが大きくなって、ずきずき、ずきずきと心を刺す。

和果子の視線を追いかけるようにして、柚花も一緒に、空を見上げた。

遮る高い建物や、きらびやかなネオンがないこの村では、どこにいたって満天の星が見える。

その星空は、どこまでもどこまでも続いていて、どこまでもどこまでも美しい。


「……あたしはね、それでもずっと好きでいるかな。たぶん、好きで居続ける。……だって、今は凄く辛いけど、未来ではどうなってるか、わからないでしょ?今諦めたら、ほんの少しの可能性だって、あるかもしれない幸せな未来だって、一緒に諦めるってことだから」


「……それは、悔しいから」と続いた言葉に、柚花はそっと視線を下ろして、未だ寂しそうな顔で空を見上げている和果子を見つめる。

その言葉には、まるで自分自身に言い聞かせているような響きがあった。