早く寝ると早起きできるもので、いつもよりずっと早い時間に目が覚めてしまった。
しばらく布団の中でもぞもぞしていたのだけど、やっぱりすることもない。

簡単に布団を上げ、パジャマとは違う部屋着に着替えて、トイレに行ってから自分の部屋に帰る。
夏は終わりが近いけれど、まだまだ日の出は早く、活動するには十分な明るさ。
部屋の移動も怖くなく、むしろ爽やかな空気が清々しいほどだ。

いつもならトーストにコーヒー程度で済ませてしまうのだけど、何しろ時間があるのでちょっと手を掛けたものを作りたくなった。

8枚切りの食パンを2枚焼いて、あり合わせの野菜を混ぜたオムレツを作る。
焼き上がったパンにレタスとオムレツ、ケチャップを挟んでオムレツサンドは出来上がった。
コーヒーもインスタントではなく豆からドリップする。
サンドイッチが馴染んだ頃に包丁を入れると、赤と緑と黄色がとてもきれいで、我ながらうっとりしてしまった。

とは言え、実はこのオムレツサンド、かなりボリュームがある。
サンドイッチ用のパンではなく普通の食パンを使っているし、もったいないから耳も落とさない。
中身もとても具だくさんだ。
いつも食パン1枚にヨーグルトくらいしか食べない私には明らかに多かった。
そう、ちょうど2食分くらいに。

「お昼まで残すとパンがしなしなになっちゃうしな」

やっぱり熱々カリカリのうちに食べるのが一番おいしい。

「いらなかったらお昼に持っていけばいいし」

しなしなにはなるけれど、味はしっかりしているから冷めてもそれなりにおいしい。

「お世話になってるのに自分の分だけ作るっていうのも情がないよね」