意を決した私は大人しくスタイリングチェアに腰をかけた。

 腰をかけると、香織さんと洋さんと話をしながらカラーリングとカット、それからブローがプロの手によって進められた。

「完成」

「あら、似合うじゃない」

 鏡をじっくり見れば見るほど、いつもと雰囲気の違う自分。これが本当に自分なのか目を疑うほどだった。

 ミルクティーブラウンだった明るい髪は、落ち着いたアッシュ系のブラウンになった。髪も全体的に軽くなって、少し、大人っぽさが出た気がする。

「私、こんなに落ち着いた髪色にしたの久しぶりです」

 似合いますかね、と尋ねると二人は笑顔で頷いてくれた。

「そっちの方がいいわよ。沙耶ちゃん」

「きっと、部長もイチコロじゃないかな。頑張って」

「はい!ありがとうございます!」

 香織さんと洋さんの言葉に、私はご機嫌に口角を上げた。そして、明日という日を心待ちにして、自宅へ帰宅し眠りについた。