午後の授業前の予鈴が鳴り出した。
「そろそろ戻らなきゃね」
「……そうですね」
縁は慌てて弁当箱を和風の弁当包みで包んで片付け始めた。
もう少し二人だけの時間を堪能していたいが、授業をサボタージュする訳にはいかない。
空き教室を出ると、二人で肩を並べて教室棟へ向かって歩き始めた。
「あのっ、」
教室棟に入り、一階の階段の前で縁は立ち止まると、依人に声をかけた。
「あたし……先輩とお昼休みを一緒に過ごせて、楽しかったですーーーーさようならっ」
縁は勢いよく深く礼をすると、手にしたランチトートを抱えるとそのまま階段を登り始めた。
「待って」
依人は縁の腕を咄嗟に掴んでいた。
「先輩!?」
縁は腕を掴んだ依人の手と顔を交互に見てはあわあわと狼狽えている。
衝動的な行動だった。
何か用が出来た訳ではなく、ただ引き留めたかった。
今生の別れではあるまいし、二度と会えなくなることなどないことは分かり切っているのに。
(あれ……? 今の俺、意味の分からないことばかりしてる)
決して多くはない過去の恋愛は、もう少し上手く立ち回れていた。
しかし、縁を前にすると、自ずとポンコツと化してしまうのだ。
「明後日、また一緒に食べよ?」
依人は縁に怪しまれたくなくて、咄嗟に次の約束を取り付けてみた。
縁はぽかんと口を半開きにして、呆然とした様子で依人を見つめていたが、
「……はい」
我に返ったのか、縁は潤んだ瞳を細めて愛らしい笑顔を見せてくれた。
それがきっかけかは定かではないが、週に何度か一緒に昼休みを過ごすようになった。
「そろそろ戻らなきゃね」
「……そうですね」
縁は慌てて弁当箱を和風の弁当包みで包んで片付け始めた。
もう少し二人だけの時間を堪能していたいが、授業をサボタージュする訳にはいかない。
空き教室を出ると、二人で肩を並べて教室棟へ向かって歩き始めた。
「あのっ、」
教室棟に入り、一階の階段の前で縁は立ち止まると、依人に声をかけた。
「あたし……先輩とお昼休みを一緒に過ごせて、楽しかったですーーーーさようならっ」
縁は勢いよく深く礼をすると、手にしたランチトートを抱えるとそのまま階段を登り始めた。
「待って」
依人は縁の腕を咄嗟に掴んでいた。
「先輩!?」
縁は腕を掴んだ依人の手と顔を交互に見てはあわあわと狼狽えている。
衝動的な行動だった。
何か用が出来た訳ではなく、ただ引き留めたかった。
今生の別れではあるまいし、二度と会えなくなることなどないことは分かり切っているのに。
(あれ……? 今の俺、意味の分からないことばかりしてる)
決して多くはない過去の恋愛は、もう少し上手く立ち回れていた。
しかし、縁を前にすると、自ずとポンコツと化してしまうのだ。
「明後日、また一緒に食べよ?」
依人は縁に怪しまれたくなくて、咄嗟に次の約束を取り付けてみた。
縁はぽかんと口を半開きにして、呆然とした様子で依人を見つめていたが、
「……はい」
我に返ったのか、縁は潤んだ瞳を細めて愛らしい笑顔を見せてくれた。
それがきっかけかは定かではないが、週に何度か一緒に昼休みを過ごすようになった。



