「よしっ!…えー、あとは巻くだけか…。」

私はいつもと変わらないメイクをして、いつもと変わらない制服を着て、いつもと変わらない準備をしていた。

「恋ー!ご飯できたよー!」

兄の声がする。もうできたのか…作るの早いな、おい…とブツブツ言いながら、今行くー!とショートボブの髪を毛先だけ内側に巻きながら返事をする。

毛先だけ巻くといっても、やはり少しだけ時間がかかってしまうため…

「恋!早くしろよー!」

今度は弟の声だ。もうわかってるってば!私も早く楓兄のご飯食べたいの!けど、あと少しだけ…!あと1分!1分待って!