私の初恋は、5歳のときだ。
5歳で初恋は普通か少し早いくらいだろう。

私が5歳だった時。
ある昼頃に母と隣町に買い物へ行って、私はそこで迷子になった。
母と別れて、わんわん泣いていた時に「大丈夫?」と言って声をかけてくれたのは1人の男の子だった。その男の子は一緒に母を探してくれて、見つかって、その男の子と別れるときはわたしが見えなくなるまで、その男の子は私に手を振り続けてくれた。その姿が今も昔も忘れることができない。
翌日、私はその男の子へお礼の花を持っていこうと隣町まで走って、会いに行った。
何回か会って、遊んで…いつからだろう、その子と会わなくなったのは。

その子は私よりも10cmくらい身長が高くて、髪は短髪で、目がぱっちりしていて、同じ年齢ではないと思わせるくらい大人びた顔立ちだった。

あの子は何歳だったんだろう。
あの子はどうして、あそこにいたのだろう。
あの子はどうして、私を助けたのだろう。
あの子は今、何をしているんだろう。