365日、いつまでもふたりで

「資料まとめてから行くから。そのへんは希映(キエ)ならうまくやれんだろ」



──……希映……?


流山さんのことだよね。
下の名前呼び捨てしてるんだ。

自分だって元太のこと呼び捨てしてるくせに、竜くんがほかの人を呼び捨てするのは嫌だって思う。
それはたぶん、いままで竜くんがそういうところを人に見せてこなかったから。

名前で呼び合うほど仲のいい人なんていないと思ってた。



「さ、聞かせてもらうか」



スマホをポケットにしまって、目線をあたしに移す。



「…仕事しないと」



竜くんから目をそらして、資料に目を移す。



「そんなのやる必要ない」


「え?」


「口実だから。別にこれやる必要ないから」



今日ほど竜くんが教育係だったことを恨んだとこはないかもしれない。



「なんでそんなこと…」


「こうでもしないと話せないから。流山は邪魔してくるし」



はぁっとため息をつく。